×CULTURE
お客様やお取引先、働く仲間から
愛される百貨店でありたい。
会社と共に歩み、東急百貨店を長年支えてきた管理職社員。
そんな各社員の仕事内容や仕事で大切にしていること、
ベテランだからこそ分かる会社の変化に迫りました。
MEMBER
薄井 大輔 DAISUKE USUI
フード統括室 フード統括部長
2006年入社
小川 妙子 TAEKO OGAWA
店舗運営事業部 営業推進部長
1999年入社
仙石 眞一 SHINICHI SENGOKU
店舗運営事業部 札幌店長
1998年入社
藤田 愛子 AIKO FUJITA
店舗運営事業部 日吉店長
2001年入社
※会話内容は取材当時のものです。
Topic01
現在の仕事内容
お互いに協力し、支え合う。
そうして東急百貨店ができている。
Q.最初に、管理職である皆さんの現在の仕事内容を教えてください。
-
私は東急百貨店全店の営業方針を策定する事業戦略部に所属しています。当方が扱う業務は幅広く、各店舗との連携・マーケティング調査を通じた営業方針の策定から、方針を実現するための施策立案、施策を実行した際の効果測定など営業のサポート業務を行っています。
-
私も元々小川さんと同じ部署で働いていたので分かりますが、本当に仕事内容が多岐にわたりますよね(笑)。当社の窓口として、キャンペーンやイベントを行う際にカード会社やグループ会社と交渉や調整を行うのも事業戦略部ですよね。
-
そうそう。簡単にまとめると、お客様との接点を拡大するための方法を幅広い角度から考え、戦略を立てる部署と言えるかな。藤田さんは日吉店(日吉東急アベニュー)の店長になったんだよね?
-
そうです!2023年から日吉東急アベニューの店長に着任しました。主な役割は営業戦略の策定・遂行と店舗運営に伴う全般業務の遂行です。前者では小川さんの部署から共有された営業方針をもとにより店舗に合った戦略を考え、実行します。後者ではCS・ES両方の側面から魅力的な店舗をつくるために、店舗内の設備やサービスの見直しを行っています。仕事内容としては仙石さんも近いですよね?
-
部署名は違うけれど、仕事は藤田さんと近いね。私が所属する構造改革推進は札幌店が50周年を迎えるタイミングで新設されました。主な役割は、2023年に50周年を迎える札幌店をよりお客様から愛される店舗にすべく、現状の課題と今後の方向性を考えたうえで、本社のバイヤーと連携しながらテナントを入れ替えたり、店舗環境の見直しを行ったりしています。薄井さんはバイヤーだから、普段連携することもあるよね?
-
そうですね。私はフード統括部という部署で、「東急フードショー」や「東急フードショーエッジ」といった専門店を含む東急百貨店全店の食料品テナントの管理を行っています。具体的な仕事は、各店のテナントの入れ替えやそれに伴う新規テナントへの出店交渉、既存テナントとの連携強化などです。日吉東急アベニューと札幌店、各店の食料品フロア「東急フードショー」について、藤田さんと仙石さんとはよく連絡を取っていますね。
-
藤田さんと仙石さんは地域と連携した取り組みも重要な業務の一つだよね?
-
そうなんです。日吉東急アベニューや札幌店など地域に根ざした店舗では、今まで以上に地域交流の場として地域に貢献することを目標にしています。そのため、地域住民や商店街と連携して駅前でイベントを開催したり、地域の清掃活動に参加したりと地域との連携強化に努めています。
-
私も定期的に近隣の施設の方々や商店街などさまざまな団体の会合に参加して、住民の方々と一緒に地域を盛り上げるための方法や暮らしやすい地域をつくるための方法を検討しています。そうした一つひとつ取り組みがお客様から愛される店舗づくりにつながると考えています。
Topic02
マネジメントで心がけていること
部下とまっすぐ向き合い、共に考える。
それが人を育てると信じている。
Q.管理職として働かれている中で、マネジメント面で大切にされていることはありますか?
-
基本的なことですが、何か仕事を依頼した際、「ありがとう」「すみません」といった感謝の気持ちを伝えることは大切にしています。
-
私も何か部下に仕事を進めてもらった時は、まず御礼と良い点を伝えたうえで、改善点やアドバイスがあれば併せて伝えるようにしています。また、管理職なのでどうしても自分の意見や考えを発信する側に回ることが多いですが、「理解してから理解される」をモットーに部下の意見にも耳を傾けるように心がけています。
-
部下の意見に寄り添う姿勢ってすごく大切ですよね。私もコロナ禍を経て、その重要性に改めて気づかされるようになりました。世の中が急速に変化し、お客様のニーズが予測しづらくなったことで、一人で答えを出すのではなく、部下と共にどうしたらお客様のニーズに応えられるかを考えるようにしたんです。結果的に、私の予想もしなかったアイデアが出てきて、私自身も勉強になることが多くありました。
-
私も普段仕事をする中で、若手社員の方がアンテナの感度が高いと感じることがあります。経験を重ねてくると、自分の尺度のみで物事を判断してしまいそうになりますが、最近は部下の意見や視点を受け止めてから判断するようにしています。部下の意見が正しい場合も多くありますね(笑)。そのため、部下の考えもしっかりと受け入れていくようにしています。そうすることで、部下に「主体性」を持って、仕事に取り組んでもらいたいと考えています。
-
私は2022年から2ヶ月に一回のペースで部下一人ひとりと30分ほど面談する機会を設けるようにしました。面談では仕事のことはもちろん、プライベートで困っていることがあれば、併せて聞くようにしています。
-
私も定期的に部下全員と1時間ほど面談するようにしています。また、面談も含め、部下と話をする際は「目標を明確にすること」「成果だけでなくプロセスも褒めてあげること」「改善点は明確な理由と共に伝えること」という3つを心がけています。それが一人ひとりの生産性向上につながると考えています。
-
「目標を明確にすること」は管理職として働くうえで不可欠ですよね。目標が定まっていない状態ですと部下も何を軸に物事を判断すれば良いか分からなくなってしまいますから。
-
そうですね。加えて、私が重要だと思うのが、部下が自発的に行動し、仮に失敗してしまった場合、部下にその結果責任を取らせないことです。薄井さんが言った通り、行動を起こしたプロセスをしっかり評価してあげたうえで、責任は上司である私たちが取るべきだと考えています。
-
誰も失敗したいと思って、失敗する人はいませんからね(笑)。部下の責任を取るのも管理職の重要な役割ですよね。
Topic03
東急百貨店の過去と現在
どんなに時代のニーズが変わっても、
お客様に寄り添う姿勢だけは変わらない。
Q.ベテラン社員である皆さんだから分かる
東急百貨店の変わったことと変わらないことを教えてください。
-
一番変わったことは、組織のスリム化だと思います。コロナ禍を経て、EC需要の拡大やインバウンドの回復などお客様の行動が急速に変化したことで、そうした変化にいち早く対応できるよう、経営層と現場の距離を縮め、意思決定の速度を上げる組織体制になりました。
-
組織がスリム化したことで、自分の考えを具現化しやすくなりましたね。また、組織の若返りも進み、若手社員の持つ裁量権が大きくなったと思います。若手でも大きな仕事を任せられるようになり、早い段階から仕事にやりがいを感じられるようになりました。
-
スリム化もそうですけど、組織構造がフラットになりましたよね?小川さんからも話があったように、現在は本社と店舗が連携して営業方針を決めていますが、今までは本社が決めた方針に従って現場が動くという構造でした。しかし、今まで以上にお客様のニーズに応えるために、一番お客様のことを理解している現場の意見を踏まえたうえで最善の方針・戦略を検討するようになりました。
-
お客様のニーズを満たすために、店舗の構造や役割も変化しましたよね。私が入社した当時の百貨店は、基本的に「自主売場」と呼ばれる自社で買い付けた商品を販売する売場で構成されていましたが、最近ではお取引先のテナントを中心に構成されるようになりました。また、先に述べた通り、ただ物を売る場所ではなく、地域をつなぎ、活性化する場所としての役割も担うようになったと感じます。
-
私たちの世代が子どもだった頃くらいまでは、休日に家族と百貨店に行くのが当たり前の光景でしたが、時代の流れと共に行動の多様化が進み、そうした光景は珍しくなりましたね。一方で、昔も今も地域の中で必要とされるために、お客様のニーズを満たそうとする姿勢は変わらないですね。
-
今でも各地域や地域のお客様に合った売場構成やテナントに出店いただけるのは、時代の変化に合わせて培ってきたお客様のニーズに寄り添う力があるからですよね。
-
変わらないところでもう一つ挙げると、職場の雰囲気も変わらないですね。年齢や立場に関係なく、いつの時代も上司や先輩に対して気軽に相談や話ができ、アドバイスをもらうことができます。
-
そうそう。穏やかな人が多く、温和な社風ですよね。その社内の心地良さを「東急百貨店温泉」という言葉で表現されることもあるくらい(笑)。ただ、お客様やお取引先からも「東急百貨店は人が良い」とご評価いただくことがあるので、職場の雰囲気や社員の人の良さは当社の強みだと思います。
-
良くも悪くもお人好しな企業であることは間違いないですね(笑)。
Topic04
東急百貨店の今後
「上質な暮らしのパートナー」を目指し、
お客様に新しい価値を提供していく。
Q.最後に、会社の中核を担う皆さんはこれから東急百貨店をどういう会社にしていきたいですか?
-
私が普段から目指しているのは、当社の社員が親や親戚、友人に自社を自慢できるような会社になることです。ShinQsが開業した際、部下の一人が「自分の働いている場所がテレビで取り上げられているのが嬉しくて、友人に自慢しちゃいました」と笑顔で話してくれたことがありました。その話を聞いてから、お客様をはじめとした対外的な方々はもちろんですが、社員からも想われる会社にしたいと思うようになりました、
-
良い話ですね。私も藤田さんと同じく、今まで以上に社員一人ひとりが自社に誇りを持って働ける企業にしていきたいですね。そのために、東急グループのリテール事業の中核企業である「東急百貨店」として、多様な人材が集まり、既成概念に捉われることなく、常に挑戦と進化を続ける企業にしたいと考えています。
-
たしかにお客様だけでなく、働く仲間から選ばれることも重要ですよね。私も、今働いている社員には「働き続けたい」と思ってもらえる会社になること、新しく当社を知った方には「東急百貨店で働きたい」と思ってもらえる会社になることの両方を大切にしたいと考えています。加えて、私はテナントの管理業務を担っているので、お取引先からも選ばれる会社になることも意識しています。
-
皆さんの意見をまとめると、お客様やお取引先、働く仲間から選ばれる百貨店ということですよね。そうなるためには、私たちが目指している「いつでも、どこでも。一人ひとりの上質な暮らしのパートナー。」に向かって、社員一人ひとりが自発的に行動していくことが求められますね。
-
そうですね。それぞれの社員が「店舗を構える地域やその地域のお客様に対してどういう価値を提供できるか」を今まで以上に突き詰めていくことが重要です。そのうえで、マネジメント面で皆さんが心がけているように、上司や部下といった立場に捉われず、普段からコミュニケーションを取り、全体の方向性を固めていくことも心がけたいと思っています。
-
社員自身の成長や幸せだけでなく家族の幸せも大切と考えているので、働きやすい会社にしたい。だからこそ、普段から部下には「家族最優先で仕事してね」と積極的に伝えるようにしているんです。
-
ワークライフバランスへの意識は昨今必要不可欠ですよね。前社長が語り続けていた「すべてはお客様のため、部下のため」という言葉にもあるように、お客様はもちろん、これから東急百貨店を支えていく部下たちが働きやすい環境を考えて、組織をつくっていけたら良いなと思っています。
-
上手くまとまった気がしますね(笑)。久しぶりに皆さんとお話ができて良かったです。これからもお互いに協力し合いながら、会社を支えていきましょう。
本日はお忙しい中お集まりいただき、ありがとうございました。
皆さんのお話をお伺いし、これからの東急百貨店が楽しみになりました。
今後も渋谷を中心としたさまざまな地域に寄り添う百貨店として、
お客様やお取引先、社員と共に、未来へ歩んでいきましょう。