就職活動では「転居が伴う転勤がなく、女性が働きやすい会社」を軸に業界や企業を見ていました。そのうえで、女性が多く、当時から産休や育休、介護休業の取得が進んでいた百貨店業界と化粧品業界を志望。中でも、東京と神奈川を中心に店舗を展開しており、尚且つ地元の近くに店舗があり、馴染みがあった東急百貨店に興味を持ちました。当社への入社の決め手は、人事の方の誠実な対応に感動したからです。1次面接当日に貧血になり、電話で日程変更のお願いをしたところ、「まずは体調の回復に専念してください。日程変更は落ち着いてからで大丈夫ですよ！」と私の体調を一番に考えてくれました。そんな断られても仕方がない状況でも、接する相手を想い、大切にする姿勢に心を打たれ、入社を決めました。

課長として、化粧品中心のショップと服飾小物を扱う自主売場で構成された吉祥寺店1Fの統括を担っています。具体的には、マネージャーや担当者が管理する各ショップの運営に滞りがないか、イベントやキャンペーンの情報が正確に現場まで行き渡っているかを最終確認し、必要に応じて追加の指示出しやサポートを行っています。また、若手社員のマネジメントも重要な業務の一つ。挨拶や言葉遣いといった社会人としての基礎から、課題発見力や解決力といった成長に必要なスキルの習得まで幅広く育成しています。働くうえで大切にしているのは、店頭で働く従業員一人ひとりが働きやすい環境をつくることです。そのために、普段からフロアを巡回し、販売員の方や部下と積極的にコミュニケーションを取ることで、それぞれが抱える悩みや熱意に寄り添えるように意識しています。

2012年のShinQs開業と2023年の本店閉店に携わったことが印象深いです。ShinQs開業の際は、開業の2ヶ月前からライフスタイル雑貨を扱う5Fフロアの担当に着任。テナントで働く従業員への店舗ルール浸透やレジオペレーション指導など現場のフォロー業務に従事しました。その中で、各テナントから絶え間なく寄せられるレジの操作方法・商品の搬入方法など店舗運営に関する問合せや相談を受ける毎日が続きましたが、必死に対応し、無事にオープンを迎えることができました。本店閉店の際は、管理職として紳士服と婦人服を扱うフロアの閉店業務を担当。1年以上前から関係各所と共に閉店によって発生しうる問題の洗い出しを行いました。そのうえで、今まで各ショップをご愛顧いただいていたお客様が本店閉店後に困らないよう、各ショップの代替となる店舗を周辺の百貨店や路面店をもとにリスト化し、お客様へアナウンスするなど閉店まで走り続けました。開業と閉店という2つの経験を通じて、「期日までに任された業務をやり遂げる大切さ」と「困難を乗り越える力」を身につけることができました。

私が入社してから今日に至るまで、スマートフォンが登場したり、コンビニにATMや郵便ポストが設置されたりと生活者を取り巻く環境は時代と共に大きく変化しました。その中で、百貨店業界、そこに属する当社も生活者から必要とされ続けるために、時代のニーズに合わせて常に変わり続けることが重要だと考えています。そのために、社員一人ひとりがこれまで磨き続けてきたおもてなしの心を維持しつつ、お客様のニーズに寄り添い、積極的に新しい価値を提供していくこと。また、そうした新しい価値を生み出すために挑戦する社員の姿勢を会社が今まで以上に後押ししていくことが求められると感じます。私自身も時代の変化をしっかりと受け入れながら、時代に合った形で当社を変えていきたいです。